⚡ 要点
- 役割:軟質の軽合金母材(アルミ、マグネシウム、鋳鉄)に高強度のめねじを形成します。
- 4 つのタイプ:並目の貫通穴用、並目の止まり穴用、ゆるみ止め付き貫通穴用、ゆるみ止め付き止まり穴用です。
- 規格:GB/T 24425.1(並目・貫通)、.2(並目・止まり)、.3(ゆるみ止め・貫通)、.4(ゆるみ止め・止まり)。
- 材料:冷間圧延した異形断面(ダイヤモンド形)のステンレス 304 線材。高温用には Inconel も用意しています。
- 強度:装着後のねじ山は 8–12 級に達し、繰り返し組立が可能です。
1. ワイヤスレッドインサートが解決する課題
軟質材、たとえば ADC12 ダイカスト、AZ91D マグネシウム、鋳鉄に直接タップすると次のようになります。
- 3–5 回の組立でねじ山が破壊します。
- 強度が低く、負荷容量が不足します。
- 破損した穴の補修は、オーバーサイズへの穴あけ直しになります。
ステンレス製のワイヤインサートを装着すると次のようになります。
- めねじがステンレス鋼となり、8–12 級の強度になります。
- 繰り返しの組立・分解が可能です。
- 破損した穴を大きなオーバーサイズにせず補修できます。
2. 4 タイプの選び方
| タイプ | 規格 | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|---|
| 並目・貫通穴用 | GB/T 24425.1 | 両端が開放。装着後に駆動用ツメ(タング)を折り取る | 一般の結合部 |
| 並目・止まり穴用 | GB/T 24425.2 | 折り取るツメがなく、止まり穴に適する | 止まり穴、深穴 |
| ゆるみ止め・貫通穴用 | GB/T 24425.3 | 多角形状のゆるみ止めコイルを持ち、緩みに抵抗する | 振動環境 |
| ゆるみ止め・止まり穴用 | GB/T 24425.4 | ツメなしに、ゆるみ止めコイルを追加 | 振動のある止まり穴 |
3. 装着手順
- 専用ドリルでタップ穴をあけます(呼び径より 1.5–3 mm 大)。
- 専用タップでインサート用の特殊ねじを切ります。一般のねじ用タップは使えません。
- 装着工具でインサートをねじ込み、駆動用ツメを折り取ります。
- 切り粉を除去し、標準ボルトをねじ込みます。
重要:ワイヤインサートは特殊ねじを使用します。M6 のタップ穴は 8–9 mm 程度で、一般の M6 タップの 5 mm ではありません。
4. 選定のよくある質問
Q. アルミハウジングの M6 には何を使いますか。 並目の貫通穴用、長さ 1D で十分です。
Q. 振動する結合部にはゆるみ止めタイプが必要ですか。 はい。ゆるみ止めコイルは、ナイロンインサートナットのナイロンパッチと同じ働きをします。
Q. 止まり穴でツメを折れないのはなぜですか。 折れたツメが穴の底に落ちてしまうためです。