⚡ 要点
- 基本式:T = K × F × d(トルク=トルク係数 × 軸力 × 呼び径)。
- 代表的な K 値:乾燥状態の亜鉛めっきで 0.20、潤滑時 0.10–0.14、PTFE で 0.08–0.12。
- トルクの行き先:約 90% が摩擦で消費され、軸力になるのは 10% のみです。
- 規格:GB/T 16823.3-2010、締結部品-トルク/締付力試験。
- 注意点:同じトルクなら K が低いほど軸力は高くなりますが、ばらつきも大きくなります。
1. K 値が重要な理由
締付トルクは次の式に従います。
T = K × F × d
ここで T はトルク(N·m)、K はトルク係数、F は軸力(N)、d は呼び径(mm)です。
重要な事実は次のとおりです。
- トルクの約 50% は座面の摩擦で失われます。
- 約 40% はねじ山の摩擦で失われます。
- 軸力になるのはわずか 10% です。
2. 代表的な K 値
| 表面処理/潤滑 | K 値 | 摩擦係数 μ |
|---|---|---|
| 亜鉛めっき、乾燥 | 0.20 | 0.15 |
| 黒色酸化皮膜、乾燥 | 0.20–0.24 | 0.16 |
| カドミウムめっき、乾燥 | 0.18 | 0.13 |
| 亜鉛めっき+マシン油 | 0.14 | 0.10 |
| 二硫化モリブデン | 0.10–0.12 | 0.08 |
| PTFE コーティング | 0.08–0.12 | 0.07 |
| Dacromet | 0.12–0.15 | 0.10 |
| ステンレス、乾燥 | 0.25–0.30 | 0.18 |
3. トルク/締付力試験
規格:GB/T 16823.3-2010 / ISO 16047。
方法:
- 試験片をトルク変換器と軸力変換器の間に挟み込みます。
- 規定の回転速度で締め付けます。
- トルク-軸力曲線を記録します。
- K 値とそのばらつきを算出します。
合格判定:K の平均値が呼び値の ±20% 以内にあり、ばらつきが 10% 以下であること。
4. 計算例
例 1:M10、8.8、亜鉛めっき、必要軸力 F = 25,000 N、K = 0.20。
T = 0.20 × 25,000 × 0.010 = 50 N·m。
例 2:M12、10.9、Dacromet、F = 45,000 N、K = 0.13。
T = 0.13 × 45,000 × 0.012 = 70 N·m。
例 3:M6 ステンレス、乾燥、F = 8,000 N、K = 0.27。
T = 0.27 × 8,000 × 0.006 = 13 N·m。
5. 軸力の設定値
| 用途 | 耐力に対する軸力 | 備考 |
|---|---|---|
| 一般結合部 | 60% | 安全余裕を残す |
| 重要結合部 | 70% | 自動車エンジン |
| 交番荷重 | 50% | 疲労対策 |
| 密閉結合部 | 75% | ガスケットの圧縮を保つ |
| 降伏点締付け | 90% | トルク+回転角法 |